日本脳炎ワクチンについて
日本脳炎は、ウィルスに感染したブタから蚊を媒介として感染します。
感染しても日本脳炎として発症するのは1000人に1人くらいですが、もし発症した場合は、有効な治療法がなく致命率が20~40%くらいで、治った人でも45~70%に麻痺などの後遺症を残す怖い病気です。
抗体検査の結果からこの近隣地域でもブタの80%くらいが日本脳炎のウィルスに感染していることが考えられており、実際に患者さんの報告もあります。
日本脳炎のワクチン接種した後、100万~200万回に1回くらいの割合で急性散在性脳脊髄炎(ADEM)を発症する可能性があるといわれていました。
ADEMは、各種のウィルス感染やワクチン(日本脳炎ワクチン以外でも報告があります)接種後4~21日目に脳、脊髄などの複数の病巣による神経症状をきたす病気で、多くの場合はステロイド治療などで完全に回復しますが、中には運動機能障害などの神経系の後遺症を残す場合もあります。
そこで最近ではマウスの脳を使用した従来のワクチンに代わってADEMを起こしにくい組織培養ワクチンになり、最近では厚労省も積極的にワクチンを受けるように勧奨しています。
日本脳炎は怖い病気であり、予防するしか他に手立てがないことから、この地域でのワクチン接種は必要と考えます。
また日本脳炎ワクチンは接種後5年程度で効果が薄れ始めるため、成人して日本脳炎の流行地(東南アジアなど)に出かけるときは、追加接種をした方が良いと言われいます。